ChatGPTを勉強に使う完全ガイド|効果的な活用法とプロンプト例【AI教育のプロが解説】
ChatGPTを勉強に使う人が一気に増えています。
一方で、実際の使い方は
- 問題をそのまま入力して答えだけ聞く
- レポートを丸ごと作らせてコピペする
といった、もったいない活用に留まっているケースも少なくありません。
これでは一時的に成績は上がっても、自分で考える力は育ちません。
この記事では、AI教育と子ども教育の両方に関わっている立場から、ChatGPTを勉強に使う時の
- 基本の考え方
- 教科別の具体的な活用法
- そのままコピペで使えるプロンプト例
- 依存しすぎないための注意点
をまとめて解説します。
お子さんにもそのまま渡せる内容を意識していますので、ぜひ親子で一緒にお読みください。
ChatGPTを勉強に使うとは?まず基本を理解しよう
まずは、そもそもChatGPTを勉強に使うとはどういうことかを整理しておきます。
ChatGPTとは?
ChatGPTは、文章の意味を理解しながら、人間に近い自然な文章を生成できる対話型AIです。
質問に答えたり、説明したり、文章を添削したり、問題を作ったりと、勉強との相性が非常に良いツールです。
なぜ勉強に使えるのか
ポイントは、ChatGPTが
- 何度でも、
- どんなレベルの質問にも、
- 自分のペースで付き合ってくれる
ところです。
先生や親に何度も同じことを聞くのは気まずくても、AIなら気兼ねなく聞けます。
このやり取りのしやすさが、うまく使えば学びの質を大きく高めてくれます。
従来の勉強法との違い
従来の勉強では
- 教科書や参考書を読む
- 解説動画を見る
- 塾や家庭教師で教えてもらう
といった「一方通行」の学びが中心でした。
ChatGPTを使うと、
- 自分の疑問をその場で投げかけられる
- 分からなければ、分かるまで聞き返せる
- 自分の言葉で説明して、チェックしてもらえる
という双方向の学びに変わります。
ChatGPTでできること・できないこと
できることの例
- 分からない問題の考え方のヒントを出す
- 分かりやすい言い換えや例え話で説明する
- 類題や確認テストを作る
- 作文や英作文を添削する
- 勉強計画を一緒に作る
できないことの例
- 常に完全に正しい情報を保証すること
- 子どもの表情や体調の変化を見て気づいてあげること
- 自分の代わりに「理解する」こと
だからこそ、答えを丸写しする道具としてではなく、「一緒に考える相棒」として使う意識が大切になります。
ChatGPTを勉強に使う5つのメリット
ここからは、ChatGPTを勉強に使う具体的なメリットを整理します。
1. 24時間いつでも質問できる
塾の先生や友達には聞けない時間帯でも、ChatGPTならいつでも質問できます。
夜遅くに「ここだけどうしても分からない」のような時の強い味方です。
2. わかるまで何度でも聞ける
同じ質問を何回しても、AIは嫌な顔をしません。
説明の仕方を変えてもらうこともできます。
例
- この説明をもっと簡単にして
- 小学生にも分かるように言い換えて
- 図にしたイメージで説明して
といったお願いも可能です。
3. 自分のペースで学べる
理解のスピードは人それぞれです。
ChatGPTなら、
- 早く進めたい単元はどんどん進む
- 苦手な単元はじっくり丁寧に進める
といった自分に合ったペース配分がしやすくなります。
4. 多角的な説明が得られる
教科書の説明だけではピンと来ないことも、
- 具体例
- 図解イメージの文章化
- 比喩や日常生活の例
など、さまざまな角度から説明してもらうことで理解が深まります。
5. 学習の幅が広がる
学校や塾の範囲を超えて、
- 興味のある分野を深掘りする
- 仕事や社会とのつながりを知る
- AI時代のスキルについて学ぶ
など、**教科書には載っていない「学びの世界」**にも手を伸ばしやすくなります。
【重要】ChatGPTを勉強に使う際の3つの注意点
便利だからこそ、ここだけは必ず押さえておきたいポイントがあります。
1. 答えをそのまま写すのはNG
問題文をコピペして、出てきた答えだけノートに写す。
これは一番やってはいけない使い方です。
勉強の目的は
- 正解を書くこと
ではなく - 分からないことが「分かる」に変わること
です。
ChatGPTにはヒントや考え方、解き方の筋道を求めるようにしましょう。
2. 情報の正確性を必ず確認する
ChatGPTはとても賢いですが、間違うこともあるツールです。
- 学校の教科書
- 信頼できる参考書
- 先生や大人の目
と照らし合わせて、大事な部分は必ずダブルチェックする習慣をつけましょう。
3. 依存しすぎないようにする
分からないたびにすぐAIに聞いてしまうと、
- 自分の頭で考える前に聞くクセ
- 少し難しいとすぐ諦めるクセ
がついてしまいます。
まずは自分で考えてみる → その上でAIに相談する
この順番を守ることが、長い目で見た時の成長につながります。
ChatGPTを勉強に使う効果的な方法(基本編)
ここからは、今日からすぐに実践できる基本的な使い方を紹介します。
1. まず自分で考えてから質問する
いきなり問題を投げるのではなく、
- どこまで自分で分かったか
- どこから分からなくなったか
をセットで伝えると、返ってくる答えの質が一気に上がります。
プロンプト例
- これから算数の文章題を解きます。自分なりに考えた途中式を書くので、どこから考え方がずれているか教えてください。
2. 答えではなく、ヒントを求める
いきなり答えを聞くのではなく、ヒントだけをお願いしましょう。
プロンプト例
- この問題の答えは教えないでください。解き方のヒントを三つに分けて教えてください。
- 小学生にも分かるレベルのヒントを段階的に出してください。最初は一番やさしいヒントからお願いします。
3. なぜ?を繰り返す
理解を深めるためには、理由をセットで理解することが大切です。
プロンプト例
- なぜその式になるのか、理由をステップごとに説明してください。
- どうしてその考え方が正しいのかを、もし中学生に教えるとしたらどう説明しますか。
4. 学んだことを説明してみる
一番のおすすめは、自分の口で説明してみて、それをChatGPTにチェックしてもらう方法です。
プロンプト例
- 今から今日習った内容を、自分の言葉で説明します。間違っているところや足りないところがあれば、分かりやすく教えてください。
- 小学生の弟に教えるつもりで説明文を書きます。分かりにくい部分があれば指摘して、どう直せばよいかアドバイスしてください。
このやり取りを繰り返すことで、言語化能力や論理的思考力が自然と鍛えられていきます。
教科別!ChatGPTを勉強に使う効果的な方法
次に、教科ごとの具体的な活用例と、そのまま使えるプロンプト例を紹介します。
数学・算数の勉強に使う
こんな使い方がおすすめ
- 解き方の筋道だけを教えてもらう
- 自分の解答の「どこが間違っているか」を指摘してもらう
- 類似問題を作ってもらい、定着を図る
プロンプト例
- この数学の問題を解くために、どんな公式や知識が必要かだけ教えてください。
- これが自分の解答です。どこから考え方が間違っているか、具体的に指摘してください。
- この問題と同じレベルの類似問題を三問作ってください。最後に答えもまとめて教えてください。
英語の勉強に使う
こんな使い方がおすすめ
- 英作文の添削
- 文法の説明
- 英会話の練習
プロンプト例
- 中学生レベルの英作文です。以下の英文を添削して、日本語で改善点を教えてください。
- この英文がなぜ間違っているのか、文法のルールを中学生にも分かるように説明してください。
- 英語で日常会話の練習をしたいです。あなたが質問をして、私は英語で答えます。間違いがあれば日本語で直して教えてください。
国語の勉強に使う
こんな使い方がおすすめ
- 文章の要約練習
- 読解問題のヒント出し
- 作文の構成づくり
プロンプト例
- この文章を百文字以内で要約してください。その後、要約のポイントも三つ教えてください。
- この文章の筆者の主張がよく分かりません。ヒントを三つに分けて教えてください。答えは最後にまとめて教えてください。
- このテーマで作文を書きたいです。導入・本論・結論の三つに分けて、どんな内容を入れればいいか、箇条書きで提案してください。
理科・社会の勉強に使う
こんな使い方がおすすめ
- 理解しづらい概念のかみ砕き
- 年表や一覧への整理
- 背景知識の補足
プロンプト例
- 光合成の仕組みを、小学生にも分かるように例え話を使って説明してください。
- 江戸時代の重要な出来事を、年号と一緒に年表形式でまとめてください。
- この歴史的事件の背景にある政治的・経済的な要因を、難しい言葉を使わずに説明してください。
さらに効果的に!ChatGPTを勉強に使う応用テクニック
基本に慣れてきたら、次のような応用テクニックもおすすめです。
1. ロールプレイで学ぶ
ChatGPTに「先生役」をお願いし、対話形式で学びます。
プロンプト例
- あなたは優しくて説明が上手な数学の先生です。私は中学二年生の生徒です。この連立方程式の単元を、対話形式で教えてください。
- あなたは英会話の先生です。自己紹介の練習をしたいので、英語で質問をしてください。私は英語で答えます。
2. テスト問題を作ってもらう
自分が学んだ範囲を指定して、オリジナルテストを作ってもらいます。
プロンプト例
- 中学一年生の一次方程式の範囲から、テスト問題を十問作ってください。選択問題と記述問題を半分ずつにしてください。最後に答えもまとめてください。
3. 学習計画を立ててもらう
テストや受験に向けた計画づくりにも使えます。
プロンプト例
- 一か月後に期末テストがあります。中学二年生の数学と英語で、今の成績は平均くらいです。毎日一時間の勉強時間で、どんなペースで勉強すればよいか、一か月の学習計画を作ってください。
4. 苦手分野を分析してもらう
自分で「何が分からないか分からない」状態の時に役立ちます。
プロンプト例
- 私は数学の文章題が苦手です。どんな部分でつまずきやすいか整理してもらい、それぞれについてどんな勉強をすればよいか提案してください。
ChatGPTだけでは身につかない、AI時代に本当に大切な力
ここまで見ると、ChatGPTはとても便利な勉強ツールに見えると思います。
実際、その通りです。
一方で、ChatGPTだけでは育たない力があることも忘れてはいけません。
ロジカルAIスクールでは、AI時代に大切な力として、次の四つの基盤能力を大事にしています。
- 先読み力
- 言語化能力
- 論理的思考力
- 情報処理力
ChatGPTは、これらを鍛えるための優れた練習相手にはなりますが、
- 何を先読みすべきかを決める
- どんな問いを投げかけるかを考える
- 返ってきた情報を取捨選択する
といった部分は、やはり人間側のトレーニングが必要です。
AIに丸投げするのではなく、
AIを自分の頭を鍛えるための道具として活用できるかどうかが、AI時代の大きな分かれ目になります。
AI時代の子どもに必要な学びとは?ロジカルAIスクールの挑戦
私はAIパートナーズ株式会社の代表として、そしてロジカルAIスクールの運営を通じて、
- ChatGPTのようなAIとどう付き合うか
- どんな力を育てておくべきか
を、日々現場で考え続けています。
ロジカルAIスクールでは、単にAIの使い方を教えるのではなく、
- 考える
- 創る
- 伝える
という三つの柱を中心に、AIをツールとして活用しながら、子どもたちの思考力を育てています。
例えば、
- ChatGPTに物語の続きを一緒に考えてもらいながら、主人公の気持ちや場面の描写を言語化する
- 3DプリンターやVRと組み合わせて、アイデアを形にして発表する
- 自分の考えをAIに説明し、そのフィードバックをもとにさらにブラッシュアップする
といった活動を通して、AIを「便利な答えマシン」ではなく、「自分の頭を鍛える相棒」として使いこなす力を育てていきます。
ロジカルAIスクールの詳しいカリキュラムやコース内容は、ぜひ
もご覧になってみてください。
まとめ:ChatGPTは「道具」、大切なのは「使いこなす力」
最後に、この記事のポイントをまとめます。
- ChatGPTを勉強に使うことで、
- 24時間いつでも質問できる
- 何度でも聞き返せる
- 自分のペースで学べる
といった大きなメリットがある。
- 一方で、
- 答えをそのまま写す
- 情報を鵜呑みにする
- 何でもすぐAIに聞いてしまう
- 効果的な使い方のポイントは、
- まず自分で考えてから質問する
- 答えではなくヒントを求める
- 自分の言葉で説明してチェックしてもらう
という三つのステップ。
- そして、AI時代に本当に必要なのは、
- 先を読む力
- 考えを言葉にする力
- 筋道を立てて考える力
- 情報を取捨選択して活用する力
ChatGPTは、その力を育てるためのとても心強い味方になります。
上手に付き合えば、子どもたちの学びは今まで以上に豊かで、ワクワクするものになっていきます。
まずはAI時代の学びを体験してみませんか?
ロジカルAIスクールでは、ChatGPTをはじめとしたAIツールを活用しながら、子どもたちの考える力・創る力・伝える力を育む授業を行っています。
- 少人数制で一人ひとりにしっかり向き合う
- 宿題なし・授業内完結で、親御さんの負担も少ない
- VRや3Dプリンターなど、最新の設備も整った教室
まずは、お子さんが目を輝かせてAIと向き合う姿を、実際に見てみませんか。
著者: 川島優貴
所属: AIパートナーズ株式会社 代表取締役