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2025.12.06

中学受験の国語を伸ばすには?

結局、「本人の気づき」と「好きな物語」に勝る学習法はない

ロジカルAIスクール(ロジスク)代表の川島優貴です。

中学受験の国語がとにかく伸びない
「読解力・記述力を鍛えたいのに、何をやっても手応えがない」

そんなお悩みを、保護者の方から本当によく伺います。

正直に言うと、
私は中学受験のとき、国語が本当にできない子どもでした。

  • 中学受験塾:四谷大塚 お茶の水校
  • 小4〜小6の国語偏差値:40台前後をウロウロ

原因ははっきりしています。

「読みたくもない本を、親と塾の先生から渡され、
強制された結果、国語そのものを嫌いになったから」
です。

最初に渡されたのが、ある有名な読書教材の本。
読みたくない気持ちのまま「読みなさい」と押しつけられた結果、
本=苦痛というイメージが完全に固まってしまいました。

以後、文章は
「意味のある世界」ではなく、
「文字の羅列」にしか見えませんでした。

これは、小学6年生の秋まで変わりませんでした。


きっかけは2つだけだった

①「こんなことで人生を終わらせたくない」という感情

② 星新一のショートショートとの出会い

あまりにも国語ができず、
あまりにも親に怒られ続けた結果、
小6の秋ごろ、ふと頭をよぎったことがあります。

「なんで、こんなことで死ななきゃいけないんだ?」

もちろん本当に行動に移したわけではありませんが、
そのくらい追い詰められていたのは事実です。

ただ、そのときに生まれた感情は
絶望というより「怒り混じりの自我」でした。

「こんなくだらない理由で、
自分の人生を終わらせるなんて、絶対に嫌だ。」

この「自分の気持ちに気づいた瞬間」から、
少しずつですが、文字に意味が伴うようになっていきました。

そこに重なるように出会ったのが、
星新一のショートショート集です。

  • 1話が短い
  • 難しい言葉は少ない
  • でも、皮肉や人間の感情がギュッと詰まっている

不思議なことに、
星新一だけは「なんとなく意味が分かる」感覚がありました。

「あ、この人はこういう気持ちなんだろうな」
「このオチ、ちょっと面白いな」

そうやって、人の気持ちや物語の構造を
少しずつ感じ取れるようになっていったのです。

この2つが転機となり、
中学受験本番ではなんとか国語偏差値50前後まで持ち直し、
他の得意科目(社会・算数)のおかげもあって、
いくつかの中学に合格することができました。


それなのに、中学・高校の現代文は「ほぼ90点以上」だった話

ここまで読むと、

「じゃあ中学生・高校生になってからも国語は苦労したのでは?」

と思われるかもしれません。

ところが、実際は逆でした。

中学・高校の現代文では、ほぼ毎回90点以上。
むしろ得意科目になっていました。

なぜか?

理由はシンプルで、

「授業で扱った文章を、
普通に理解してテストに臨んでいただけ」

だったからです。

  • どんなストーリーだったか
  • 登場人物はどんな気持ちだったか
  • 筆者は何が言いたいのか

これさえ押さえておけば、
「書いてあること」と「聞かれていること」に
当たり前に答えるだけのテスト
です。

では、なぜそこまで変われたのか。


高校時代、「ライトノベル×アニメ」で文章世界を掴んだ

きっかけは、高校時代のある“ブーム”でした。

私が高校生の頃は、
『涼宮ハルヒの憂鬱』『けいおん!』などのアニメが広まり、

その原作である
ライトノベル(ラノベ)が一気に流行していた時代です。

※ライトノベルとは
 若者向けの小説で、
 会話が多くテンポも速く、
 挿絵付きで読みやすくしたエンタメ小説のことです。

「立派な文学作品」ではないかもしれません。
でも、読みやすくて、とにかく面白い。

私はライトノベルを読みまくりました。

そして、こういう循環が生まれました。

  1. まずアニメを見る
  2. 続きが気になって、原作ライトノベルを読む
  3. アニメで見た世界観・声・背景を思い出しながら文章を読む
  4. 「この描写は、あのシーンを言葉にしたものか」と対応づけられる

ここで、とても大事なことが起きています。

国語で一番難しいとされる「頭の中で想像する」作業の
一部分を、アニメが肩代わりしてくれていた
のです。

  • 世界観
  • キャラクターの性格
  • 空気感

こうした要素を映像として知ったあとに文章を読むことで、
「文章 → 映像」への橋が自然に架かっていきました。

その結果、

  • 文章を読むスピードが上がる
  • シーンを頭の中で再生しやすくなる
  • 「この一文って、あの感情を表してるよね」とわかる

という力が身につき、
現代文のテストは「書いてあることに素直に答えるだけ」と
感じられるようになっていったのです。


中学受験の国語を伸ばすために、

親ができる3つのポイント

ここまでの話を、
中学受験の「国語の学習法」として整理すると、
次の3つに集約されます。


① 嫌いにさせないことが、スタートライン

最初に私がつまずいたのは、

  • 読みたくない本を
  • 親と塾の先生から
  • 「中学受験のために」と押しつけられたこと

でした。

その瞬間、
本=強制=苦痛になりました。

中学受験の国語を伸ばすには、
「何を読ませるか」よりも先に、

「どうやって読書と出会わせるか」

がとても大切です。

  • 親が「これはいい本だから」と選んだものより
  • 子どもが「なんか面白そう」と手に取ったもの

のほうが、圧倒的に吸収されます。


② 読むきっかけは、なんでもいい(アニメ・マンガ・ラノベ歓迎)

「そんなこと言っても、うちの子は本を読まない」と
思われるかもしれません。

でも、きっかけは何でもいいのです。

  • アニメから入る
  • マンガから入る
  • ライトノベルから入る

ストーリーを楽しむ経験が積み重なれば、
その先で必ず「文章」につながります。

ポイントは、

  • 「それって勉強になるの?」と否定するのではなく
  • 「へえ、どういう話なの?」と興味を向けてあげること

です。


③ 「読む」だけでなく、「話す・書く・作る」までつなげる

国語力=読解力・記述力を伸ばすには、

  1. 読む
  2. 思う
  3. 言葉にする

という3ステップが必要です。

  • 読んだ物語の感想を、
    親子で会話するだけでも十分なトレーニングです。
  • 「このキャラって、どこが好き?」
  • 「一番印象に残った場面は?」
  • 「自分だったらどうする?」

こうした質問を投げかけるだけで、
子どもは自然に「自分の言葉」を探すようになります。


そして今は、「AIで物語を自分で作る時代」

昔の私は、
アニメ → ライトノベル → 現代文
という流れで国語力を育てていきました。

今の子どもたちには、
そこにもう一つ、大きな武器が加わっています。

それが「AI」です。

  • AIにオリジナルキャラクターを一緒に考えてもらう
  • そのキャラが活躍する物語をAIと一緒に作る
  • 途中まで作った文章をAIと一緒に推敲する
  • 「この表現と、この表現はどう違うの?」とAIに質問する

こうした活動を通じて、

  • 読む
  • 想像する
  • 話す
  • 書く
  • 作り直す

まで、一気通貫で体験できます。

AIを使って楽をするのではなく、
AIを使うことで「より多く考えられる子」が伸びていく。

私はそう考えています。


ロジスクが大事にしているのは、

「きっかけは何でもいい。本人の気づきを育てる」という姿勢

ロジカルAIスクールは、
中学受験の直接的なテクニックを教える塾ではありません。

でも、

  • 子どもが「自分で気づく瞬間」を大切にすること
  • 好きな物語やキャラクターから学びを広げること
  • AIを相棒に、「読む→考える→言葉にする→自分で作る」を回すこと

を通じて、
国語の土台である「読解力・言語化力・想像力」を育てています。

きっかけは、本当に何でもいいのです。

  • 一冊の歴史漫画かもしれない
  • 一つのアニメかもしれない
  • 一つのAIとの対話かもしれない

大人ができるのは、
それを「ダメ」「ムダ」と切り捨てるのではなく、
学びにつながるように導いてあげること
だと思います。


中学受験の国語でお悩みの方へ。

  • まずは「嫌いにさせない」こと
  • そして「好きな物語から入る」こと
  • さらに「読む→話す→作る」までつなげること

この3つを意識してみてください。

ロジスクは、そのプロセスを
AIを活用しながら一緒に伴走する教室です。


著者:川島優貴(ロジカルAIスクール代表/AIパートナーズ株式会社 代表取締役)

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