「眠れない、食べられない」は危険なSOS。中学受験のストレスから子どもを守る、親とChatGPTができる全てのこと
「眠れない、食べられない」は危険なSOS。中学受験のストレスから子どもを守る、親とChatGPTができる全てのこと
夜遅くまで机に向かっているはずなのに、問題集はなかなか進まない。
食事の手も止まりがちで、笑顔も減った。
布団に入っても「おなかが痛い」「明日の塾行きたくない」と涙ぐむ——。
中学受験をしているご家庭では、こうした「心身の不調」に直面することが少なくありません。成績や合否ももちろん大切ですが、それ以上に大事なのはお子さんの心と体の健康です。
私は、吉祥寺でAI子ども教室「ロジカルAIスクール」を運営しながら、日々多くの親御さんとお話ししています。そこには、中学受験で心身をすり減らし、受験をやめてからロジスクに来られたお子さんもいらっしゃいます。
そうしたご家庭を見ていると、「もっと早く『SOS』に気づけていたら」「我慢させすぎてしまったかもしれない」と、自分を責めている親御さんも少なくありません。
この記事では、
- 危険なサインを見逃さないための心身チェックリスト
- 家庭でできる具体的なストレスケア
- ChatGPTを「子どもの状態を言語化するツール」かつ「親子で取り組むウェルネスコーチ」として活用する方法
- そして、親自身のセルフケア
について、できるだけ具体的にお伝えします。
※ChatGPTを含むAIは医師ではありません。体調やメンタル面に強い不調がある場合は、必ず小児科や医療・専門機関に相談してください。
1. これって大丈夫?危険なSOSサインを見逃さないための「心身健康チェックリスト」

まずは、お子さんにどんな変化が出ているかを、落ち着いて整理してみましょう。ここでは、「睡眠」「食事」「体の症状」「心のサイン」「学校・塾での様子」の5つの観点からチェックできるリストを紹介します。
1-1. 睡眠に関するサイン
- 布団に入ってから30分〜1時間以上経っても眠れない日が続いている
- 夜中に何度も目を覚まし、「怖い夢」「試験の夢」を見ると訴える
- 朝、起きるのが極端につらそうで、起こすとすぐ涙ぐむ
- 休日も、昼過ぎまで起きてこない/逆に、朝早く目が覚めてしまう
- 寝る前に「明日が来なければいいのに」といった発言が増えた
1-2. 食事に関するサイン
- 好きだったメニューにも手をつけない日が増えている
- 食事量が急に減った、または「気持ち悪い」「お腹が痛い」と訴えて残す
- 反対に、甘いもの・スナック菓子を異常な量食べたがる
- 体重が急に減った、あるいは増えた
- 食事の時間そのものが「嫌な時間」になっている(無言、ため息など)
1-3. 体に出るストレスのサイン
- 朝になると「おなかが痛い」「頭が痛い」と毎日のように訴える
- 受験やテストの日に限って、腹痛・吐き気が出る
- 髪の毛を抜いてしまう、爪を噛む、皮膚をかきむしるクセが強くなった
- 慢性的な肩こり・頭痛・めまいを訴える
- 便秘や下痢が続いている
こうした症状は、ストレスが体に現れている可能性がありますが、内科的な病気が隠れていることもあるため、「ストレスのせいだ」と決めつけず、一度小児科で相談してみてください。
1-4. 心・感情面のサイン
- 些細なことで泣いたり、突然怒鳴ったりする場面が増えた
- 「どうせ自分なんて」「何やってもムダ」と自分を否定する言葉が目立つ
- 好きだった遊びや趣味に全く興味を示さなくなった
- 「死にたい」「消えたい」などの言葉が出てくる
- 何を聞いても「別に」「どうでもいい」と返すことが多い
特に、「死にたい」「消えたい」などの発言が出た場合は、受験どころではありません。
すぐに学校のスクールカウンセラーや医療機関、自治体の相談窓口に連絡することをおすすめします。
1-5. 学校・塾での様子のサイン
- 登校前・塾の前になると、必ず体調不良を訴える
- 学校や塾から「授業中にボーッとしている」「眠そうにしている」と言われる
- 成績が下がること以上に、「ミスを極端に恐れる」様子がある
- 模試やテストの結果が出る前後で、表情や態度が極端に変わる
- 友達と遊ぶ機会・時間がほとんどなくなっている
1-6. どのくらい当てはまったら要注意?
目安として、
- 上記の項目のうち3つ以上が2週間以上続いている
- 一つでも「非常に強い」「日常生活に支障が出ている」サインがある
場合は、「様子を見る」ではなく、積極的に専門家へ相談することをおすすめします。
「ここまでさせてしまった親としての責任…」と自分を責める必要はありません。
大切なのは、「今気づけたこと」と「これからどう守るか」です。
ロジカルAIスクールにも、中学受験をやめてから、のびのびと笑顔を取り戻していくお子さんが多くいらっしゃいます。受験は、あくまで選択肢のひとつ。子どもの健康を守るために立ち止まることは、逃げではなく勇気ある決断だと、私は現場で実感しています。
2. ChatGPTと行う「ストレス原因」の簡易診断

子どもの様子が気になっても、
- 「どこまでが普通のストレスなのか」
- 「何が一番の原因なのか」
を、親だけで整理するのはとても難しいものです。
そこで活用できるのが、ChatGPTのような対話型AIです。
AIは医師ではないので診断はできませんが、親の頭の中にある「モヤモヤ」を言語化し、整理する手伝いをしてくれます。
2-1. まずは親自身のメモとして使う
いきなり子どもに質問するのではなく、まずは親自身の振り返りツールとして、次のようなプロンプトを使ってみてください。
あなたはスクールカウンセラーです。
最近、うちの子(小学6年生)に元気がないようです。
子どものストレスの原因として考えられることを、次の3つの側面から質問形式で挙げてください。
1. 学習面(受験勉強・塾・テストなど)
2. 友人関係(クラス・塾・習い事など)
3. 家庭環境(家族の会話・雰囲気・生活リズムなど)
それぞれの側面から、3〜5問ずつ、具体的な質問を作ってください。
すると、例えばこんな質問リストが返ってきます(一例):
- 学習面
- 「最近、勉強中に特にしんどいと感じるのはどんな時ですか?」
- 「塾でつらいと感じる瞬間はありますか?」 など
- 友人関係
- 「学校や塾で、話しづらい友達や先生はいますか?」
- 家庭環境
- 「家の中で、もっとこうだったらいいのに、と思うことはありますか?」
2-2. 子どもに聞きやすい言葉に“翻訳”してもらう
次に、上で作られた質問を、子どもが答えやすい柔らかい言葉に言い換えてもらいます。
今から貼り付ける質問を、小学6年生の子どもに聞くことを想定して、
もっと優しく、具体的で、答えやすい聞き方に言い換えてください。
【質問リスト】
(ここに先ほどの質問をコピペ)
すると、
- 「最近、勉強しているときに『あ〜もうイヤだ!』って思うのは、どんなとき?」
- 「塾に行くとき、『今日はちょっと行きたくないな』って感じることはある?」
といった、子どもが自分の言葉で話しやすくなる表現へ“翻訳”してくれます。
2-3. 聞くときのポイント
質問をするときは、
- テストの直前・直後など、緊張度が高い時間を避ける
- 寝る前の5分間など、「今日1日どうだった?」と話しやすいタイミングを選ぶ
- 1度に全部聞かず、1日1〜2問ずつでも十分
- 「正直に答えてくれてありがとう」と、答えてくれたこと自体をほめる
ことを意識してみてください。
3. 親子でできる!ChatGPTと実践する「ストレス解消」アクティビティ

原因を探ることと同じくらい、今ここでストレスを少しでも軽くする工夫も大切です。
ここでは、親子で一緒に、あるいは子どもが一人でも取り組める、ChatGPT活用アクティビティを3つ紹介します。
3-1. プロンプト1:マインドフルネス瞑想ガイド
緊張でガチガチになった心と体をゆるめるには、「呼吸に意識を向ける」だけでも効果があります。
私たちは今から5分間、瞑想をします。
あなたは穏やかな声の瞑想ガイドです。
小学6年生にも分かる優しい言葉で、
呼吸に集中し、心を落ち着かせるためのナレーションをしてください。
最初に姿勢の整え方を説明し、その後、
ゆっくりと呼吸をガイドする形で5分程度の文章を書いてください。
- スマホやタブレットの画面を見ながら、親が読み上げてあげてもいいですし、
- テキストを録音して「自分だけの落ち着く音声」として使うのもおすすめです。
3-2. プロンプト2:とにかく笑うためのショートストーリー
笑いは、ストレス解消にとても強い味方です。
勉強の話を一切忘れて、親子で一緒に笑える小話を作ってもらいましょう。
勉強で少し疲れているので、とにかく笑える話が読みたいです。
主人公がドジな小学生で、最後はハッピーエンドになる、
500文字程度の面白いショートストーリーを作成してください。
小学生にも分かる言葉で書いてください。
- 読み終わった後に、「自分ならどんなオチにする?」と続きを一緒に考えてみると、
思考が「受験モード」から「想像モード」に切り替わります。
3-3. プロンプト3:週末リフレッシュプラン提案
「週末も塾」「模試」で埋まってしまうと、心が休む時間がありません。
限られた時間の中でも、勉強のことを忘れきれる半日リフレッシュを意識して作ってみましょう。
中学受験の勉強をがんばっている小学生とその家族のために、
勉強のことは一度完全に忘れられるような、
週末の過ごし方プランを3パターン提案してください。
条件は次の通りです。
- 予算は1家族で5,000円以内
- 都内から日帰りで行ける場所
- 小学5〜6年生が楽しめる内容
- 移動時間もリフレッシュになるように工夫してください。
提案されたプランの中から、
「これはできそう」「これは簡単にアレンジできそう」というものを、家族会議で選ぶのも良い時間になります。
4. 保護者自身のセルフケアも忘れずに

お子さんの体調やメンタルが心配なとき、一番疲れているのは実は親御さんかもしれません。
- 受験スケジュール・塾の連絡・模試の申込…
- 勉強の声かけ・成績表とにらめっこ…
- そして「この選択は正しいのか?」という不安や罪悪感——。
こうしたプレッシャーを抱え続けると、親御さん自身も眠れなくなったり、イライラが増えたりします。その状態は、どうしても子どもにも伝わってしまうものです。04_ターゲット読者ペルソナ
4-1. ChatGPTを「大人の聞き役」として使う
身近に本音を話せる相手がいないときは、ChatGPTを**「安全な愚痴の受け皿」**として使ってみてください。
あなたは、子どもの中学受験に付き添っている親の気持ちに寄り添うカウンセラーです。
今から、私が感じている不安や愚痴を書き出します。
否定やアドバイスではなく、まずは気持ちを受け止め、
「分かるよ」というスタンスで共感しながら、優しく言葉をかけてください。
また、私自身の心と体を守るために、
今週できそうなセルフケアを3つだけ具体的に提案してください。
文章にして吐き出すだけでも、心が少し軽くなります。
「誰かに話してもいい」「私はよくやっている」とAIから言葉をもらうだけでも、翌日の子どもへの接し方が変わることがあります。
4-2. 受験を「完璧にやりきる」より、親子が笑顔でいられることを優先に
AI時代の教育を考える立場から見ると、進学先の学校名より、親子関係や自己肯定感の方が、長い人生でははるかに大きな影響を持つと感じています。
中学受験を続けるか、やめるか。
志望校を下げるか、併願校を増やすか。
どの選択にも「正解」はありませんが、どの選択をするとしても、
- 子どもの心と体の健康を、最優先に置くこと
- 親自身の心と体も守ること
だけは、どうか忘れないでいただきたいと思います。
まとめ:合格より大切なものを、見失わないために

- 「眠れない」「食べられない」「朝になるとお腹が痛くなる」——これらは、受験の赤信号になりうるサインです。
- チェックリストで心身の状態を確認し、必要であれば専門家へ相談する勇気を持ちましょう。
- ChatGPTは、「原因を整理するための質問作り」「親子でできるリラックス法の提案」「親自身の聞き役」として活用できます。
- そして、子どもの心と体の健康は、どんな合格よりも尊いという原点を、改めて思い出していただけたら嬉しいです。
ロジカルAIスクールには、中学受験を続けるご家庭もあれば、やめて別の道を選んだご家庭もあります。ただ一つ共通しているのは、どの親御さんも「この子が笑顔でいてくれること」を一番大切にしている、ということです。
ロジスクでは、AIや3Dプリンターなど最新のテクノロジーを使いながら、「考える・創る・伝える」を軸に、子どもたちが目を輝かせて学べる環境づくりを大切にしています。詳しいコース内容は、コース紹介ページもご覧ください。
「頑張りすぎなくて、いいんだよ。」ロジスクの『ゆるやか受験相談』のご案内
もし今、
- 「このまま受験を続けていいのか分からない」
- 「やめさせたい気持ちと、ここまでやってきた思いの間で揺れている」
- 「子どものSOSにどう向き合えばいいか知りたい」
と感じていらっしゃるなら、一度、第三者と一緒に状況を整理してみませんか。
ロジカルAIスクールでは、
中学受験を続けるかどうかに正解を押しつけるのではなく、
「親子が笑顔でいられるペースや選択肢」を一緒に考える『ゆるやか受験相談』を行っています。
「頑張りすぎなくて、いいんだよ。」
そんなメッセージを、まずは親御さん自身にお届けしたいと思っています。
著者: 川島優貴
所属: AIパートナーズ株式会社 代表取締役/ロジカルAIスクール代表